誰もが一度は聞いたことのある【待機電力】。使わないときはコンセント抜いてるという人もすでに多いと思います。今回はひと通りの節電ができている人向けに、もう一度基本に帰る意味でこちら、もう少し深堀りしてみることにします。
待機電力なんて気にしてないよ、という人ももちろん、このコラムで一気に待機電力を減らしましょう。
待機電力とは
実はこの【待機電力】という用語に明確な定義はないのですが、「その電気製品を使用・活用していない時にも消費してしまう電力」というのを一般的に指していると思います。ですので、この場ではそのような認識でご説明します。
実はこの待機電力、家庭の電力消費のうち、なんと5.1%を占めると言われているんです。
電源ONスタンバイタイプ
まずリモコンで電源を入れる電気製品がすべてこれにあたります。これらは一見何もしていないように見えて、リモコンからの電波が来るのを今か今かと電気を使って待っています。
また他にもWifiやアンテナ、他機器からの入力に対し、隠れて何らかの処理をしていたり、後述のパターン②のような役割が内部で働いていたり、細かいことを言うと赤い「スタンバイ」ランプなんかも点いていたりして、こういったものに人知れず電気が使われているのです。
待機電力を語るときに良く言う「主電源OFF」と言うのがこのパターンです。また、リモコンでなくても軽くタッチして電源が付くようなものは、全部このタイプです。
主電源というのはそのスイッチにより機器への通電の接点を切り離すものなので、けっこう「パチン」という、いい手応えのスイッチになります(照明を点けるときの壁のスイッチとかを想像してください)。こうした、コンセントを抜くのと同じ役割を果たすのが「主電源」です。
変換・変圧器(ACアダプター)
変換・変圧器というよりもACアダプターと言った方が伝わりやすいでしょうか。ラジカセとか、固定電話、他にもノートパソコンとかWifiルーターの電源コードにある、四角くて、熱をもつ大きなコンセントです。最近のもので言うと、携帯の充電器もそうですね。
あれは交流100Vという電源を、機器に使う電気に合わせて直流〇〇Vという電気に変換しています。常に変換の仕事をしていますので、電気を使い、触るとあったかいわけです。これらは機器側の電源を落とすのではダメで「コンセントを抜く」というパターンになります。
主電源は切れないけど、電源OFFで節電タイプ
時計やタイマー予約のついた製品、データの蓄積保持が主電源OFFで失われてしまう製品、常に(冷やして/温めて)おかなければならない電気製品などの場合は、主電源を切ったりコンセントを抜いたりできませんね。
これらもとりあえず「リモコンなどで電源をOFF」で待機電力を減らしましょう。主には給湯器(ガス・灯油・電気温水器(エコキュート)など)、DVD/BDレコーダーあたりがこのタイプです。
節電するしかないタイプ
冷蔵庫とか、温水洗浄暖房便座あたりがこれにあたります。これらは別にコラム書いておりますので、参照してみてください。
待機電力が存在しないタイプ
シンプルな機器に多いです。扇風機、電気ストーブ、ヘアドライヤー、こたつ・・。(最近はこういった機器にもリモコンが付いていたり、タイマー設定ができるものもありますが。。)
こういったものは「求める動作」イコール「主電源」となるので、特にコンセントを抜く必要はありません。さて本題。待機電力を減らしましょう。
電源ONスタンバイタイプの節電方法
録画機能の無いテレビであれば、寝る前など長時間使用しない場合は主電源落としましょう。単純な電源ONの待機だけでなく、番組表やアプリのアップデートなどの待機やその実行など、裏でいろいろ動いています。これらはテレビ見ながらでもやってくれるので、遠慮なく主電源を落としましょう。
テレビの待機電力は全家電の中でNo.2と言われています。
エアコンはこれもまた、稼働時のためにフロンガスを適正な温度に保っておく必要があり、冬などはそれを人知れず温めている場合があります。使用しないシーズンはコンセントを抜いておきましょう(ただし、コンセントを差し込んでから初回の運転開始までは十分に時間をおきましょう)。
ちなみにエアコンの待機電力は全家電の中でNo.3です。
変換・変圧器(ACアダプター)の節電方法
これはアダプターの種類により、大きな変換の仕事を必要としている機器・機種は一様には言えません(ACアダプター本体に数値の記載はありますが、最近はこれも待機電力を落とす工夫がされていたり、一様には言えません)ので、触って熱いものを優先してコンセントを抜きましょう。
携帯の充電器などはそれほどでもないようですので安心ですが、抜けるなら抜きましょう。節電タップも有効です。
主電源は切れないけど、電源OFFで節電タイプの節電方法
給湯器はパネルに表示される情報も多いですし、本体では気温や水温などのセンサーが常に働いています。主電源は落とせませんが、パネルの電源はOFFにしましょう。テレビの待機電力は全家電中トップです。
石油ファンヒーターはスイッチONしてから温風が出るまでにかなり時間がかかりますね。これを防止するための即暖スイッチが付いている機種があります。ファンヒーターに限らず石油機器には稼働時のために石油を温めておく機種が多いです。
もしこれらの機能をOFFできるなら、そのような機能は使わなくても良いように工夫してみましょう。
まとめ
待機電力は正直、それほど節電効果が高いわけではありません。しかも最新機種はみんなメーカーにより待機電力のことが良く考えられていて、だいぶ低く抑えられていたり、省エネモードが設けられていたりするようです。
小さな節電方法ではありますが、塵も積もれば山となります。全てを実行出来れば年間で10,000円以上の節約につながります。まずは心がけと習慣からで始めてみませんか。
※各数値は資源エネルギー庁「平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要」より抜粋。
※製品によっては、コンセントを抜くことで不都合が生じたり、最悪の場合故障の原因となってしまう製品もあります。実行にあたっては各機器の説明書に従ってください。
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