金属アレルギーにはどんな種類があるの?検査でわかる?


金属アレルギーとは?

金属アレルギーとは、ある特定の金属が汗などで溶け出しイオン化し、皮膚や体内で免疫反応を引き起こすことで起こるアレルギー性疾患の一種です。

アクセサリー、時計、ベルトのバックル、歯科金属、さらには食品や薬剤中の金属など、身近なものが原因になり得るため、症状の原因を特定することが難しいケースもあります。

金属アレルギーの種類

金属アレルギーは主に以下の2種類に分けられます。

1. 接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)

接触性皮膚炎は、金属が皮膚に直接触れることで起こるアレルギー反応です。ピアス、ネックレス、時計などの装飾品を着用した部分が赤く腫れたり、かゆくなったりします。

  • 症状:赤み、かゆみ、水ぶくれ、皮むけなど
  • 発症部位:アクセサリーなどの接触部分に限定
  • 原因金属:ニッケル、コバルト、クロム、銅など

金属が汗や水分で溶け出すことでイオン化し、皮膚内部でアレルギー反応を引き起こします。

2. 全身性皮膚炎(ぜんしんせいひふえん)

全身性皮膚炎は、歯の詰め物や金属製の医療器具、さらには摂取した食品に含まれる微量金属が体内に吸収され、全身の皮膚にアレルギー症状が現れるケースです。

  • 症状:全身の発疹、湿疹、かゆみ、皮むけなど
  • 発症部位:顔、首、手足、体幹など全身に広がる
  • 原因金属:歯科金属(アマルガム、パラジウム)、食品中の微量金属など

接触部位に限らず広範囲に症状が出るため、原因の特定が難しく、誤診されることもあります。

金属アレルギーは検査でわかる?

金属アレルギーかどうかを正確に知るためには、皮膚科やアレルギー科で行う「パッチテスト」が有効です。

パッチテストとは

アレルギーを疑う金属を皮膚に貼り付けて48時間〜72時間ほど経過を観察し、皮膚の反応を確認する検査方法です。

  • 検査時間:約1週間(貼付→経過観察→最終判定)
  • 保険適用:可能(※医師の判断により)
  • 主な検査対象:ニッケル、コバルト、クロム、金、銀、パラジウムなど10〜20種類程度

注意点

  • テスト中は汗や入浴を避ける必要がある
  • かぶれ反応が強く出ることがある(あらかじめ相談が必要)
  • 市販の簡易テストキットでは正確性に欠けるため医療機関での実施が推奨

金属アレルギーになりやすい金属とは?

特にアレルギーの原因になりやすい金属(アレルゲン)には以下のようなものがあります:

  • ニッケル:ピアスや腕時計、アクセサリーで最も多い原因
  • コバルト:メッキや染料に使用されることがある
  • クロム:革製品のなめし剤やステンレスに含まれる
  • 銅・真鍮:汗や皮脂に反応して青錆や緑青が発生する
  • パラジウム・アマルガム:歯科用合金に多く使用される

一方で、アレルギーが起こりにくいとされる「アレルギー対応素材」もあります。

  • サージカルステンレス(SUS316L)
  • 純チタン
  • ジルコニウム・セラミック
  • 樹脂製(レジン、プラスチック)

アクセサリーを選ぶ際には、これらのアレルギー対応素材を選ぶことで予防につながります

まとめ

金属アレルギーの種類と検査方法を正しく知ろう

金属アレルギーには大きく分けて、接触性皮膚炎全身性皮膚炎の2種類があります。それぞれ原因や症状が異なり、対処方法も異なります。

以下のポイントを押さえて対応することが大切です:

  • 症状が出たら自己判断せず皮膚科で検査(パッチテスト)を受ける
  • 原因金属を把握し、日常的に接触を避ける
  • アレルギー対応素材のアクセサリーを選ぶ

早期の発見と対策により、症状を最小限に抑え、快適な日常生活を送ることができます。

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