石油ストーブやファンヒーターを使用していて、灯油臭や不完全燃焼をしたような不快な臭いが気になる方も多いのではないでしょうか?臭いの原因は灯油の劣化であったり、ストーブ内部の汚れ、点火時や消火時に発生したりと様々な原因が考えられます。
このページでは臭いの原因と対策方法を詳しく解説しておりますので、一つ一つチェックしていきましょう。
石油ストーブ・ファンヒーターの臭いの原因とは?
石油ストーブ・ファンヒーターを使用して臭いが発生する原因として、大きく3つに分けられます。詳しく解説していきましょう。
- 不完全燃焼の症状・臭いが発生している
- 灯油臭が発生している
- 点火時(消火時)に臭いが発生している
不完全燃焼の症状・臭いが発生している
石油ストーブやファンヒーターは燃料である灯油を燃やして暖めるという仕組みですが、燃焼に必要な空気が不足していると不完全燃焼が発生してします。大まかな原因としては、室内の換気(空気)が不十分である、空気の給気口や排気口が閉塞されている、石油ストーブの故障などが考えられるでしょう。
また不完全燃焼によって発生した排気ガスが空気を汚染してしまうため、そのまま長時間使えば室内の酸素濃度が低下して、一酸化炭素中毒を引き起こすおそれがあります。一酸化炭素中毒は毒性が強いうえに無色・無臭です。
知らないうちに頭痛・吐き気・耳鳴りなどの中毒症状を起こし、最悪命に危険を及ぼすこともありますので十分に注意をしてくださいね。石油ストーブのタイプによっても状況が異なるので、現在ご使用しているストーブを確認の上チェックしていきましょう。
FF式
- 給排気のバランスが不足している(延長不足・過延長など)
- 排気トップが閉そくしている(凍結や積雪など)
煙突式
- 煙突が閉そくしている(スス・ゴミつまりなど)
- 煙突の横引きが長すぎる
ファンヒーター
- 換気が不足している
- 空気の吸入口が閉塞している
またその他部品の劣化などでも臭いは発生します。例えば熱による部品の変形によって燃焼が安定せずススと臭いが発生し、給排気のバランスが悪いまま燃焼させたことによって本体への負荷もかかります。
これらの状態はススと臭いを発生させるだけに留まらず本体の寿命を縮めてしまうということに繋がりかねません。いずれにしても燃焼時の音や燃え方など注意して普段の様子が異なる場合は要チェックしていきましょう。
灯油臭が発生している
灯油臭の原因としましては石油ストーブ、ファンヒーター自体の経年劣化や部品故障、また灯油供給系統からの漏れなど原因が様々です。目視でストーブから灯油漏れが確認できない場合は隠ぺい部で微量に漏れている可能性や、内部に溜まったほこりなどがなんだか灯油臭いという事も十分に考えられます。
前よりも灯油の臭いが強くなったということがあれば、点検のサインでもありますので一度メーカーもしくは専門業者に依頼することをオススメします。
家の中が灯油臭いと思ったら、まずはここをチェック
また新品のストーブでもなんだか灯油のような臭いがするということもあります。新品のストーブの場合はメーカーによる工場出荷前の燃焼試験によるものかストーブ本体自体の塗装の臭いということが考えられます。
これら臭いは使用しているうちに少しずつなくなりますが、どうしても気になる場合は換気をして改善しない場合は初期不良の可能性も考えられますのでメーカーに問い合わせてみましょう。
点火時(消火時)に臭いが発生している
まず石油ストーブ、ファンヒーターの仕組みとして、灯油を気化装置で気化させた後、気化した灯油と空気を混合させて燃焼することでお部屋を暖めるというものになります。点火時に臭いがする場合、気化したものの燃焼できずに残った未燃焼ガスから臭いが発生しているか、気化できずに残った灯油から臭いが発生していることが想定されます。
その他変質灯油や不純物が混じった灯油を使用した場合、燃焼不良と臭いの原因にもなりますので古い灯油は使用しないように注意しましょう。
また消火時も同様にストーブを止めた時に気化したばかりの灯油が残って、未燃焼ガスから臭いが発生していることが原因と考えられます。特にストーブにぶつかって安全装置が働いてしまった時などは急停止となるため臭いやすいです。
石油ストーブ・ファンヒーターの臭い対策はどうすればいい?
臭いの原因に続いて臭い対策についてもご紹介します。すぐにできる方法もありますので、ぜひ実践してみましょう。
- 換気をこまめにする
- 定期的にメンテナンスを行う
- 古い灯油は使用しない
換気をこまめにする
臭いが気になる場合やファンヒーターや石油ストーブ(対流式)を使用している場合はまず換気が必要です。室内で給排気を行うストーブを長時間使用すると臭いと一酸化炭素中毒の原因となるため、1時間に1~2回は窓やドアを開けて新鮮な空気と入れ替えるようにしましょう。
換気する方法として換気扇を回す方法もありますが、一般的にキッチンなどの換気扇は調理中の煙などを外に出す排気専用となるので十分に換気ができない場合があります。あくまでも空気の入れ替えが必要となる為、必ず外気の新鮮な空気を取り入れることをオススメします。
また換気する時間としては1~2分程度が目安となります。あまり長時間換気をしてしまうとせっかく暖まったお部屋の温度が下がってしまうので効率よく換気をしていきましょう。
定期的にメンテナンスを行う
石油ストーブ、ファンヒーターは定期的にメンテナンスを行う事で臭いの改善以外に本体寿命を延ばすこともできます。石油ストーブ、ファンヒーター共にフィルターなどにほこりやゴミを付着したままにしてしまうと、ストーブ本体への負荷は避けられません。
目に見える範囲だけでもこまめに清掃することでストーブを綺麗に、また臭い防止にも繋がるので定期的にメンテナンスを行いましょう。ただ新しく購入したストーブも年数が経過するにつれ、内部の汚れやススの影響で燃焼効率が落ち燃費が悪くなったり、調子が悪くなったりと故障やエラーの頻度が徐々に増えていきます。
この汚れやススを取り除きながら部品1つずつを細かく分解し、状態をチェックし、再度組み立てる作業を「ストーブ分解整備」(=オーバーホール)と呼びます。長期間、使用する場合分解整備をこまめに行ってください。
古い灯油は使用しない
灯油は適切な状態で保管しているものであれば前シーズンの灯油でも問題なく使用することができます。ただし、古い灯油や保管状態が悪く劣化した灯油は酸化や分離をしてしまい、見た目も無色透明から黄色っぽい色へと変化しているのが特徴です。
臭いも酸っぱい刺激臭のような臭いがしますので、保管状態に不安な方は一度状態を確認しましょう。古い灯油をそのまま使用してしまうと臭いだけではなく、ストーブの異常燃焼や故障の原因にもなってしまいますので注意しましょう。
また異物や水が混入した灯油も同様です。ポリタンクの期限や灯油タンクの状態も定期的に確認することをオススメします。
石油ストーブ・ファンヒーターの寿命、買い替えのタイミングは?
石油ストーブの寿命は定期的なメンテナンスをしていれば約10年、ファンヒーターは約8年が目安となっています。ただし使用環境や使用時間によっても寿命が変化してきますので、普段と違う症状やエラーが頻発するようであれば注意が必要です。
異臭に関してもストーブの異常のサインになりますので、不快な臭いが発生するようであれば前述の対策をチェックし使用年数、使用時間を考慮して買い替えも検討してみましょう。
まとめ
石油ストーブやファンヒーターから発生する異臭の原因と対策は様々ですので、一つ一つチェックしていきましょう。不快な臭いが発生したときはまず換気をし、普段と変わりがないか日頃から様子を見ることも大切ですね。
寒い冬に欠かせないストーブは日頃のメンテナンスを行う事で臭いを抑えるだけではなく、ストーブの能力も最大限に発揮することが可能です。ただし部品の経年劣化や本体寿命で異臭が発生する場合もありますので、本体年数が浅ければメーカー修理、もしくは買い替えも検討してみましょう。
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