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プロパンガス(LPガス)の料金の仕組み、内訳を徹底解説

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2023/09/15

プロパンガス(LPガス)料金がどのように計算されているか、その仕組みを詳しく解説します。

毎月請求されるプロパンガス料金がどのように計算されているのか、お得な料金設定のプロパンガス販売店を選ぶためにも、正しくガス料金を理解しましょう。

プロパンガスの料金の仕組み

まず、覚えておいて欲しいのはプロパンガスの料金は「自由料金制」であるということです。つまり、プロパンガス会社が自由にその金額を設定しているということになります。

都市ガスとの違いは、都市ガスというのは、エリア毎に一つの会社しか存在していなく、競合する会社がありません。つまり公共料金としてガス料金が固定されているわけです。

しかしプロパンガスの場合は、日本全国に15,000社以上のプロパンガス会社があり、さらに自治体単位の小さなエリアにも複数のプロパンガス会社が営業しています。そこには競争が発生しているのです。

なので、必然的に料金は各社でばらばらになります。同じ商品であっても、買うお店によって料金が違うのは皆さんもご存知のとおりだと思います。

プロパンガスの商品自体に差はありません。質の良いプロパンガス、質の悪いプロパンガスは無いということです。

では、なぜプロパンガスは高いと言われてしまうのでしょうか。

それは都市ガスが安いというのが一つ。プロパンガスの料金体系がわかりにくいという理由が一つだと思っています。

都市ガスは前述した通り、公共料金ですので、不当に値段を上げることはできません。しかし、プロパンガスは違います。

プロパンガスの多くは二部料金制を敷いています。

「基本料金」にプロパンガスの使用した量に応じてかかる「従量料金」を加えたものがその月のプロパンガス料金です。

従量料金は、ガスの使用量に応じて1m3あたり○○円と設定された従量単価を元に算出されます。使用量が多いほど従量料金は高くなります。

また、設備器具のリースなどを行っているプロパン会社は「設備器具料」も加わり、三部料金制と呼ばれることがあります。

更に近年では原料費調整制度を導入しているプロパンガス会社が増加しております。

原料費調整制度とは、仕入れ価格を販売価格にリンクさせる料金体系です。

プロパンガスの輸入価格は世界情勢や為替の変動に影響されますが、仕入れ価格の変動を毎月正確に原価に連動させるので、より透明性が高いといえます。

また更に、プロパンガスは料金表を公開する義務がありません。

2017年、液石法の施行規則が一部改正されるまで請求書に計算根拠を示す義務もありませんでした。

プロパンガス料金においては、つい最近まで請求金額だけを記載した内訳のない請求書でも問題なかったのです。

毎月支払っているプロパンガス代はどの料金体系で計算されているのかを理解することが、ご自身のプロパンガス料金が適正かどうかを知る第一歩になります。

すべてのプロパンガス料金体系に含まれている「従量料金」を左右するのが「従量単価」です。

プロパンガスは自由料金制なので、従量単価は販売店が利用者ごとに独自に設定しています。

お手元の「ガス検針票」や「LPガス使用量のお知らせ」等を参照して、現在のプロパンガス料金が適正かどうかを確認してみましょう。

都道府県別のプロパンガス基本料金の平均と適正料金

以下の表は都道府県別のプロパンガスの平均基本料金と従量単価になります。

北海道エリア

エリア 基本料金 従量単価
北海道 2,152円 874円

東北エリア

エリア 基本料金 従量単価
青森県 1,948円 845円
秋田県 1,926円 776円
岩手県 2,011円 799円
山形県 1,939円 800円
宮城県 1,823円 700円
福島県 1,840円 735円

関東エリア

エリア 基本料金 従量単価
茨城県 1,743円 633円
栃木県 1,720円 636円
群馬県 1,793円 625円
東京都 1,757円 602円
神奈川県 1,833円 629円
埼玉県 1,791円 608円
千葉県 1,790円 616円

甲信越エリア

エリア 基本料金 従量単価
山梨県 1,764円 656円
長野県 1,874円 699円
新潟県 1,971円 698円

東海エリア

エリア 基本料金 従量単価
静岡県 1,867円 656円
愛知県 1,843円 644円
岐阜県 1,891円 658円
三重県 1,876円 642円

北陸エリア

エリア 基本料金 従量単価
富山県 2,089円 762円
石川県 1,911円 754円
福井県 1,865円 732円

近畿エリア

エリア 基本料金 従量単価
大阪府 1,812円 620円
京都府 1,959円 671円
滋賀県 1,904円 669円
奈良県 1,875円 618円
兵庫県 2,036円 698円
和歌山県 1,967円 641円

中国エリア

エリア 基本料金 従量単価
岡山県 1,985円 695円
広島県 1,929円 670円
山口県 2,043円 714円
鳥取県 1,972円 726円
島根県 2,102円 727円

四国エリア

エリア 基本料金 従量単価
香川県 1,911円 715円
徳島県 1,965円 661円
愛媛県 1,940円 673円
高知県 1,921円 640円

九州エリア

エリア 基本料金 従量単価
福岡県 2,022円 683円
大分県 1,882円 663円
佐賀県 1,920円 702円
長崎県 1,845円 704円
熊本県 1,777円 678円
宮崎県 1,780円 747円
鹿児島県 1,654円 710円

※価格はすべて一戸建て世帯におけるプロパンガス料金を比較したものです。アパートやマンションなどの集合住宅や賃貸住宅の場合はこの範疇ではありません。
※ 出典:都道府県平均=エネ研・石油情報センター(2023年6月現在)

ただ、この表はあくまでも、都道府県別の基本料金の相場です。世帯単位が一人暮らしなのかファミリーなのか、また、どのガス会社と契約しているかなどによる料金のバラつきまでは分かりません。

この表からもわかる通り、東北や日本海側など雪深いところの従量単価が高いことがわかります。

ガスボンベを運ぶ労力が南方とは比べ物にならないからです。

また、都会も高く感じるかもしれません。それは賃貸マンションにプロパンガスが付いているからでしょう。賃貸マンションのプロパンガス会社を決めるのはオーナーですが、支払うのは入居者です。

つまり、いくら高くてもオーナーがそのプロパン会社を気に入りさえすれば、入居者はそのプロパンガス会社の料金に従ってプロパンガスを使用するほかないからです。

プロパンガス料金の内訳

では、このプロパンガス料金の内訳はどうなっているのでしょうか。

一般財団法人 エルピーガス振興センターによると金額の約63%は人件費や配送費、メーター費や保安経費などの小売費用となっているそうです。

それだけで金額全体の約2/3を占めていることになります。プロパンガスの輸入価格は多くても16%です。残りの約20%ほどが卸売の価格となっているのです。

つまり、元売りのほかに卸売と小売や販売店の金額が含まれて料金が請求がされているということです。

そうなると必然的に元売、卸売、小売が同じグループ会社の方が経費は削減できますし、料金自体を圧縮しやすくなります。

もちろん小さい会社が悪いというわけではありません。小売りや販売の占める割合も大きく、企業努力で価格を抑えることが出来るからです。

まずは今現在、契約しているプロパンガス会社が適正な料金になっているか確認しましょう。

実際、適正価格のプロパンガス会社に変更した方は、約20%~50%もガス代を安くすることに成功しています。

今は多くのプロパンガス会社が「原油高騰のため」という理由でやむなく単価を上げています。

これにかこつけて単価がどんどん値上げされ、気づいたら倍以上になっていたという話も耳にします。

基本料金の場合は、数百円程度の差ですが、従量単価ともなると、その格差は倍以上に広がることもめずらしくありません。

自由料金制の名のもとで、このような単価の値上げという悪弊がまかり通ってしまうのは非常に残念です。自己防衛しか方法はないと考え、賢いプロパンガス会社選びを心掛けましょう。

まとめ

プロパンガス料金の仕組みと内訳は理解できましたでしょうか。プロパンガスを使わないオール電化という選択肢もありますが、電気料金も高騰が続いています。

様々な選択肢からご自身に合ったエネルギーを選択してもらえればと思います。覚えてもらいたいのは三つ。

・プロパンガスが高いのは自由料金制だから
・従量料金と原料費調整制度に気を付ける
・プロパンガスの基本料金の内訳は小売りが大部分で大事なのは企業努力

プロパンガスの料金は毎月変動します。他社との比較を必ず行いましょう。