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LPガス(プロパンガス)の三部料金制とは?ガス会社社員がわかりやすく解説

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2024年4月2日に「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が公布されました。これによってLPガス(プロパンガス)は2025年(令和7年)4月2日から三部料金制の徹底、料金の透明化が必須となります。

では、この三部料金制とはいったい何なのでしょうか。本記事では三部料金制をクローズアップして現役ガス会社の社員がわかりやすく説明したいと思います。

LPガス(プロパンガス)の前提知識

LPガス(プロパンガス)は、都市ガスとは異なり自由料金制です。料金携帯、価格構成や地域間格差などもありどこの業者と契約するかによって料金が大きく異なります。自由競争が認められているエネルギーです。

そのため、不当に高いガス料金で利益を大きく稼いでいるガス会社もあります。その中で、料金制には、【最低責任使用料金制】【二部料金制】【三部料金制】があります。

最低責任使用料金制は、ある一定の使用量までは固定料金で超えた分は従量料金となります。しかし、こちらは全体の9.6%ほどしか採用されていません。現在は二部料金制が主流(全体の88.2%)で①基本料金と②従量料金の2つに分かれています。

三部料金制の普及率も最低責任使用料金制と同じく2.2%と多くないですが、二部料金の①基本料金の内訳を「1-1:基本料金」と、「1-2:設備利用等料金」に細かくわけているのが特徴です。

今回の改正により、この三部料金制(設備費用の外出し表示・計上禁止)が徹底されます。つまり、ガスを使用してる方がより細かくガス料金の内訳を把握できるようになるのです。

この法改正以前に液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律の改正(平成9年4月施行)が施行され、料金制度の透明性を向上させるため、料金の構成やそれに含まれるサービスの内容を、消費者にわかりやすく示すことが新たに義務づけられています。

しかし、それでも是正できなかったため、今回の法改正に繋がったと考えられます。

※ LPガスは、電気・都市ガスなどの認可料金と異なり、ガソリンや灯油などと同様に自由料金です。

法令改正(省令改正)の影響

法令改正による影響は以下の通りです。お金に係る法改正になります。把握しておいて損はありません。

  • 1.基本料金、従量料金、設備料金からなる三部料金制(設備費用の外出し表示)の徹底
  • 2.電気エアコンやWi-Fi機器等、LPガス消費と関係のない設備費用のLPガス料金への計上禁止
  • 3.賃貸住宅向けLPガス料金においては、ガス器具等の消費設備費用についても計上禁止

三部料金制の徹底(設備費用の外出し表示・計上禁止)となります。徹底や禁止といった言葉が散見されます。

無償配管や無償貸与の費用を従来の基本料金(メーターや容器など)、従量料金(ガスの原価や物流費など)から外だし表示をすることが義務付けられました。そのため係る費用相当分を「設備料金」として入居者に明示しなければなりません。

また、LPガス以外の電気エアコンや灯油ストーブなどはガス料金として計上することが禁止となります。そのため、それらに係る費用については物件のオーナーへ請求することとなります。

三部料金制とは

三部料金制とは、ガスの料金形態のひとつで、月々の使用料金が三部にわかれているのが特徴です。

三部料金制のガス料金=基本料金+従量料金+設備利用等料金

で計算することができます。

・基本料金:ガスメーター、ガス容器などガスを供給する設備の償却費用、保守、点検、設備維持費、事務手数料にかかる費用。月々ガスをどのくらい使用するかにかかわらず、1カ月およびガスメーター1個につき一定額を負担。
・従量料金:ガス原料費や容器配送費などにかかる費用です。ガスの使用量に応じて一定額を負担。
・設備利用等料金:「集中監視システムの利用料」「ガス漏れ警報器の利用料」「配管、給湯器などのガス消費設備にかかる費用」などの費用。

基本料金

ガスの消費量の多少に関係なく1軒に生じる固定的な費用です。

従量料金

ガスの使用量に応じてかかる費用です。ガスの原料費やガスの配送費などになります。

設備利用等料金

二部料金制では基本料金に含まれている設備利用費等料金を別立てにした費用です。集中監視システムの利用料ガス漏れ警報器の利用料、ガス消費設備(配管、給湯器等)など販売店から借り受けている場合の費用、その他修理費用等、一般的な費用などになります。

ガス料金は自由化されていて、ガス会社ごとに複数のプランが用意されています。三部料金制を採用しているガス会社は多くはありませんが、二部料金制の場合基本料金に含まれる設備利用等料金が別枠として扱われることで、結果的にガスの使用料金が下がる場合があります。

二部料金と比べると項目が増え、料金が高くなった印象を持ちますが、二部料金の基本料金を詳細に分けている為、透明性が高く、まだ積極的に三部制を採用しようとする会社は多くないようです。どのガス会社も料金をあやふやにして隠しておきたいということですね。

しかし、今後はそれができなくなります。そのため、各LPガス(プロパンガス)会社の料金が透明化となり、お得なガス会社に乗り換えやすくなるということです。

まとめ

三部料金制への移行は私たち消費者にとってガス会社を選びやすくなる良い指標になるということです。ただし、物価は年々上昇し、円安の影響もあって燃料の輸入代金が高くなっていることを忘れてはいけません。

ガスも電気も生活とは切っても切り離せない大切なエネルギーです。節約に限度があるからこそ、契約しているガス会社や電力会社を見直してみませんか。

電気は自分の好きな電力会社を選ぶことができます。ポイントがお得に溜まる会社もあるので、一度、調べてみてください。

ご希望に合った電気料金削減プランを確認してみる

あまり知られてしませんが、戸建て住宅であればガス会社も好きに選ぶことができます。ガス料金は会社によって大きく異なりますので、二年に一度のペースでガス会社を見直すことをオススメしています。

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※参考出典
財団法人 エルピーガス振興センターHP 料金形態
全国LPガス協会 国の審議会における資料等について

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