「LPガスを乗り換えようと思ったら、電気代も一緒に見直せると聞いた」「ガスと電気をセットにすると安くなるの?」——LPガスの乗り換えを検討している方の中には、電気代との同時見直しに興味を持っている方も多くいます。
実際、LPガスの乗り換えと電気代の見直しを同時に行うことで、光熱費全体の節約効果を最大化できます。月額ガス代の節約に加えて電気代の削減も実現すれば、年間の光熱費節約額が10万円を超えるケースも珍しくありません。この記事では、ガスと電気のセット切り替えの仕組み・メリット・注意点・具体的な手順を詳しく解説します。
まず:LPガスと電気は別々に見直せる
「ガスと電気はセットで同じ会社にしなければならない」と思っている方がいますが、これは誤解です。LPガスと電気はそれぞれ独立して、異なる会社と契約することができます。ガスはA社、電気はB社という組み合わせも完全に自由です。
もちろん、ガスと電気を同じ会社でまとめることで「セット割引」が受けられるケースもあります。しかし、セット割引があるからといって必ずしも最安になるとは限りません。それぞれ別々に最安の会社を選んだほうが、トータルで安くなることも多くあります。大切なのは、ガスと電気をそれぞれ独立して比較した上で、最適な組み合わせを選ぶことです。
LPガスと電気を同時に見直す3つのメリット
メリット1:節約効果が最大化される
LPガスの乗り換えだけでも年間数万円の節約が期待できますが、電気代の見直しを同時に行うことで節約額がさらに積み上がります。光熱費全体(ガス+電気)を同時に見直すことで、家計への影響が一段と大きくなります。
実際に両方を同時に見直した方の節約額の目安は以下の通りです。
| 世帯の状況 | LPガス乗り換えの年間節約額 | 電気代見直しの年間節約額 | 合計年間節約額 |
|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 12,000〜30,000円 | 5,000〜15,000円 | 17,000〜45,000円 |
| 2人暮らし | 24,000〜48,000円 | 8,000〜20,000円 | 32,000〜68,000円 |
| 3〜4人家族 | 36,000〜72,000円 | 12,000〜30,000円 | 48,000〜102,000円 |
| 北海道など寒冷地・4人家族 | 60,000〜100,000円 | 15,000〜35,000円 | 75,000〜135,000円 |
特に北海道など寒冷地では、暖房・給湯でガスを大量に使用し、さらに電気暖房も使用するため、両方の見直しによる節約効果が非常に大きくなります。
メリット2:手続きをまとめて効率よく進められる
LPガスの乗り換えを機に電気も見直すことで、「家計の光熱費全体を一度に最適化する」という作業を効率よく進められます。別々のタイミングで見直すと、それぞれに調査・比較・手続きの時間がかかります。同時に進めることで、一度の情報収集で両方の最適解を見つけることができます。
メリット3:家計管理がシンプルになる
ガスと電気を同じ会社にまとめる場合、請求書が1枚になり家計管理がシンプルになります。支払い口座の管理も1つにまとまるため、毎月の確認作業が楽になります。ただし前述の通り、まとめることが必ずしも最安になるとは限らないため、料金の比較は必ず行ってください。
電気代見直しの基本:自由化後の電力市場を理解する
電気代を見直す前に、現在の電力市場の仕組みを理解しておきましょう。
電力の小売自由化とは
2016年4月に電力の小売が完全自由化され、消費者は電力会社を自由に選べるようになりました。それ以前は地域の大手電力会社(東京電力・関西電力・北海道電力など)しか選べませんでしたが、自由化後は全国200社以上の新電力会社から選択できるようになっています。
新電力会社とは
電力自由化後に参入した電力小売業者を「新電力」と呼びます。新電力各社は、大手電力会社と同じ送電網を使いながら、独自の料金プランを提供しています。多くの新電力は大手電力より安い料金設定を売りにしており、乗り換えることで電気代を削減できるケースがあります。
2026年現在の電力市場の状況
2022〜2023年のエネルギー価格高騰を受けて、一部の新電力が事業撤退・プランの改悪を行ったことで、「新電力に乗り換えたら逆に高くなった」「急に解約を告知された」というトラブルが発生しました。2026年現在は市場が一定の落ち着きを取り戻していますが、電力会社の財務基盤や料金変動リスクも考慮した上で選ぶことが重要です。
ガスと電気をセットにできる主な組み合わせ
LPガスと電気のセット切り替えには、主に以下のパターンがあります。
パターン1:LPガス会社が電気もセットで提供するプラン
一部のLPガス会社は、電気の小売も行っており、LPガスと電気をセットで契約することで割引を受けられるプランを提供しています。手続きが一元化され、請求書も1枚になるため管理が楽になります。
ただし、セット割引があるからといって個別に最安の会社を選ぶより必ず安くなるとは限りません。セットプランの料金を、ガス・電気それぞれ別々に最安の会社を選んだ場合の合計と比較してから判断しましょう。
パターン2:電力会社がガスもセットで提供するプラン
大手電力会社や一部の新電力会社は、LPガスの供給もセットで行うプランを提供しています。電力会社主導でガスと電気の両方を一括管理できるため、手続きの窓口が一つになります。
パターン3:ガスと電気を別々の会社で最安を選ぶ
セット割引にこだわらず、LPガスは最安のガス会社、電気は最安の電力会社と、それぞれ独立して最適な会社を選ぶパターンです。セット割引よりも個別最適の方がトータルで安くなるケースも多く、料金にこだわる方にはこのパターンが向いています。
電気代を見直す際の比較ポイント
LPガスの見直しと同様に、電気代の見直しでも正確な比較が重要です。以下のポイントを押さえて比較しましょう。
現在の電気料金を正確に把握する
- 直近3〜6ヶ月の電気料金明細を用意する
- 月間使用量(kWh)を確認する
- 1kWhあたりの単価(従量料金)を確認する
- 基本料金(契約アンペア数に基づく)を確認する
- 再エネ賦課金・燃料費調整額の金額を確認する
比較する際のチェックポイント
- 基本料金+従量料金の月額総額で比較する:単価だけで比較すると基本料金を見落とす(LPガスの比較と同じ考え方)
- 契約アンペア数が同条件かを確認する:アンペア数が異なると基本料金が変わる
- 燃料費調整額の上限設定があるかを確認する:上限なしのプランはエネルギー価格高騰時にリスクが高くなる
- 解約違約金の有無を確認する:縛り期間があるプランは注意が必要
- 会社の経営安定性を確認する:財務基盤が弱い新電力は突然のサービス終了リスクがある
- 太陽光発電・蓄電池を持っている場合は売電条件も確認する
ガス&電気の同時見直しを行う際の推奨手順
LPガスと電気を同時に見直す際は、以下の順番で進めることをおすすめします。
STEP1:現在のガス代と電気代を両方把握する
直近6ヶ月の料金明細(ガス・電気それぞれ)を用意し、以下を整理します。
- LPガス:月間使用量(m³)・1m³あたりの単価・基本料金
- 電気:月間使用量(kWh)・1kWhあたりの単価・基本料金・契約アンペア数
STEP2:LPガスの見直しを先に進める
一般的に、LPガスの乗り換えの方が節約効果が大きく、手続きの流れも比較的シンプルです。まずLPガスの乗り換えを先行させ、その後に電気を見直すことで、混乱なく手続きを進められます。
LPガスの乗り換えが完了したら、改めて電気代の見直しに着手しましょう。両方を同時並行で進めることも可能ですが、手続きの確認事項が増えるため、慣れていない場合は順番に進める方がミスが起きにくいです。
STEP3:電気の一括比較サービスで複数社の料金を比較する
電力会社の比較には、電気料金の一括比較サービスを活用しましょう。現在の使用量と郵便番号を入力するだけで、対応エリアの複数の電力会社の料金を一度に比較できます。
STEP4:LPガスと電気のセットプランも比較対象に加える
LPガス会社が提供する電気セットプランや、電力会社が提供するガスセットプランも比較対象に加えます。セット割引の金額を加味した上で、「ガス・電気をそれぞれ別々に最安で選ぶ場合の合計」と比較して、どちらがお得かを判断します。
STEP5:乗り換えを実行し、初回請求書で料金を確認する
LPガスと電気それぞれの乗り換え先が決まったら、申し込みを実行します。乗り換え後の初回請求書が届いたら、見積もり通りの料金になっているかを必ず確認しましょう。
セット切り替えの注意点
注意点1:セット割引の「実質的な節約額」を計算する
「ガスと電気をセットにすると月○○円割引」という案内を見たとき、その割引額だけを見て判断するのは危険です。割引後の合計金額が、それぞれ別々に最安の会社を選んだ場合の合計よりも安いかどうかを必ず計算してから判断しましょう。
注意点2:どちらかが縛り期間ありの場合は注意する
ガスと電気のセットプランに縛り期間がある場合、どちらか一方だけを変更したいと思っても難しくなります。将来的な柔軟性を確保するため、縛りなし・解約自由のプランを選ぶことを優先しましょう。
注意点3:北海道など寒冷地では電力会社の選択肢が限られる場合がある
北海道では、本州と比べて参入している新電力会社の数が少ない場合があります。また、寒冷地特有の電気暖房や融雪設備の使用量が多い世帯では、使用量に応じた料金プランの選択が重要になります。北海道電力エリアでは、深夜電力を活用した蓄熱暖房向けのプランなど地域特有の選択肢も確認しましょう。
注意点4:新電力の経営リスクに備える
2022〜2023年の教訓として、財務基盤が弱い新電力会社が突然サービスを終了したり、大幅な料金改定を行ったりするリスクがあります。乗り換え先の電力会社を選ぶ際は、会社の設立年数・資本規模・過去の料金変動実績なども考慮に入れましょう。
光熱費をさらに減らすためのプラスアルファの取り組み
LPガスと電気の乗り換えに加えて、以下の取り組みを組み合わせることで光熱費全体をさらに削減することができます。
省エネ給湯器への切り替え
LPガスの乗り換えのタイミングで、省エネ型給湯器(エコジョーズ)への交換を検討しましょう。エコジョーズは従来型給湯器と比べて熱効率が約15〜20%高く、同じ使用量でもガス代を削減できます。給湯器の買い替えには費用がかかりますが、補助金制度を活用することで初期費用を抑えられる場合があります。
LED照明・省エネ家電への切り替え
電球をすべてLEDに切り替えることで、照明の電力消費を約80%削減できます。エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの大型家電が10年以上前の製品であれば、最新の省エネ機種への切り替えも検討しましょう。最新モデルは消費電力が旧機種の50〜70%程度に抑えられているケースもあります。
太陽光発電の導入
一戸建てにお住まいの場合、太陽光発電の導入によって電力会社から購入する電気量を大幅に削減できます。初期費用は必要ですが、自家消費による電気代削減と売電収入によって長期的に回収できます。2026年現在も各自治体の補助金制度が活用できるため、最新の補助金情報を確認しましょう。
LPガス乗り換えと同時に電気を見直した方の節約事例
事例1:2人暮らし・30代夫婦(東京都)
LPガスの乗り換えで月額3,200円の節約を実現したのと同時に、電力会社も大手から新電力に切り替えて月額1,800円の節約を達成。合計で月額5,000円、年間60,000円の節約を実現しました。「ガスを調べている過程で電気も見直そうと思い立ち、一緒にやったおかげで効率よく進められました」とのことです。
事例2:4人家族・40代(北海道札幌市)
LPガスの乗り換えで年間77,000円の節約を実現した後、電力会社も見直して年間22,000円の追加節約を達成。光熱費全体で年間約99,000円の削減となり、「あと少しで年間10万円超えの節約が実現できそう」と次のアクションとして省エネ給湯器の導入も検討中とのことです。
事例3:3人家族・50代(愛知県)
「物価高騰を機に光熱費全体を見直そうと思い、ガスと電気を同時に比較しました。LPガスは月3,800円、電気は月2,100円の節約になり、年間で約71,000円の節約。食費の値上がり分を完全にカバーできた」とのことです。
今すぐ光熱費全体の見直しを始めよう
LPガスの乗り換えと電気代の見直しを組み合わせることで、光熱費全体の節約効果は大幅に拡大します。どちらか一方だけを見直すよりも、両方に取り組むことで家計への好影響が一段と大きくなります。
まずは今月の料金明細(ガス・電気の両方)を手元に用意してください。LPガスの1m³あたりの単価が全国平均(600〜700円)を上回っていれば乗り換えの余地があります。電気についても、大手電力会社の標準プランを10年以上使い続けているなら、新電力への乗り換えで節約できる可能性があります。
光熱費は毎月必ず発生する固定費です。一度見直してしまえば、何もしなくても毎月節約が続きます。LPガスの乗り換えを起点に、電気代も同時に最適化し、光熱費の節約を最大化してください。

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