【家庭でのLPガス緊急対応マニュアル】プロパンガスのトラブル時にすべきこと・してはいけないこと
最終更新日:2025年5月19日|執筆:ガス保安管理士・〇〇(液化石油ガス設備士)
家庭で起こるプロパンガストラブルとは?
LPガス(プロパンガス)は日常生活に欠かせないエネルギーですが、正しい対応を知らずにいると重大な事故やトラブルにつながる可能性があります。
特に家庭では、以下のようなトラブルがよく発生します
- ・ガスが突然止まった
- ・ガス臭い気がする
- ・コンロや給湯器の火がつかない
- ・機器から異常音がする
- ・ガスメーターにエラー表示が出た
これらの症状にどう対処すべきかを、専門家の立場から解説していきます。
ケース別:自宅でのプロパンガストラブルと正しい対処法
【ケース1】ガスが突然止まった
考えられる原因:安全装置(マイコンメーター)が作動して遮断された可能性。
対処法:
- すべてのガス器具を止める
- マイコンメーターの復帰ボタンを長押し(約3秒)
- 3分間そのまま待ち、ガスの再供給を確認
※繰り返し遮断される場合は、異常使用または漏れの可能性があるため、ガス会社へ連絡を。
【ケース2】ガス臭いにおいがする
考えられる原因:配管や器具の接続不良、ボンベのバルブからの漏れ。
絶対にやってはいけない:
- ・電気のスイッチをON/OFF
- ・火をつける、スマホを操作する
正しい対応:
- 窓やドアを開けて換気
- 外に出てすぐにガス会社へ電話
- 避難して、作業員の到着を待つ
【ケース3】火がつかない・炎が異常
原因:ガス圧低下、器具の故障、フィルター詰まり
対処法:別の器具でガスが使えるか確認 → 全体NGならガス供給の問題、個別NGなら機器の点検を。
【ケース4】ガスメーターに「C」や「A」の表示
これは警告・遮断サインです。Cは漏れや震動による遮断、Aは圧力異常など。
対応:メーターの復帰操作 → 再発する場合は必ずガス会社へ連絡
トラブル発生時に「してはいけない」こと
パニック状態で行動すると、状況を悪化させる危険があります。以下は絶対に避けてください:
- ・その場で火をつける
- ・電化製品のスイッチを入れる
- ・異常なまま我慢して使用を続ける
- ・自己判断で配管やバルブを操作する
すぐに連絡すべき状況とは?
以下の状況では、すぐに契約中のガス会社または緊急連絡先に通報してください:
- ・ガス臭いが強く、復帰操作で改善しない
- ・地震後にメーターが遮断され、原因が分からない
- ・ボンベの周辺から異音・異臭・液体漏れ
- ・屋外のホースが外れている
※夜間・休日でも緊急対応窓口がある業者がほとんどです。遠慮せず相談を。
トラブルを未然に防ぐには?日頃からの備え
- ・ガス機器は10年を目安に点検・交換
- ・ボンベ周辺は整理整頓・直射日光や高温を避ける
- ・年1回のガス保安点検を必ず受ける
- ・非常時連絡先を家族で共有(冷蔵庫に貼るなど)
プロパンガスは正しく使えば安全性の高いエネルギーです。備えと知識が、いざという時の安心につながります。
まとめ|正しい対処が家庭を守る
自宅でのプロパンガストラブルは、誰にでも起こりうるものです。慌てず、正しく対応する知識を持っておけば、大事に至る前に対処できます。
「ガスが止まった」「臭う」「異常音がする」などのサインを見逃さず、安全第一で行動しましょう。
ご家庭の安全を守るため、この記事を家族みんなで共有しておくことをおすすめします。
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