石油を算出する国と聞かれて思い浮かぶ国はどこでしょうか。ぱっと思いつく限りですとサウジアラビア、UAE、クウェートといったところでしょうか。実は、世界で一番石油を算出しているのはサウジアラビアではないんです。では、どこの国が石油を多く産出しているのでしょうか。
石油を算出している国ランキング2023
- アメリカ:1,936万バレル(シェア20.2%)、前年比8.5%増
- サウジアラビア:1,139万バレル(シェア11.8%)、同6.6%減
- ロシア:1,108万バレル(シェア11.5%)、同1.1%減
- カナダ:565万バレル(シェア5.9%)、同1.4%増
- イラン:466万バレル(シェア4.8%)、同18.2%増
- イラク:435万バレル(シェア4.5%)、同3.6%減
- 中国:420万バレル(シェア4.4%)、同2.1%増
- アラブ首長国連邦(UAE):392万バレル(シェア4.1%)、同2.5%減
- ブラジル:350万バレル(シェア3.6%)、同12.5%増
- クウェート:303万バレル(シェア3.0%)、同4.2%減
実はサウジアラビアよりもアメリカの方が石油を算出していたんですね。アメリカはテキサス州やアラスカ州で石油が多く産出されているのですが、その多くが自国で消費されているのが現状です。
石油の消費動向
2023年の世界の石油生産量は前年から日量で180万バレル増加し、過去最高水準の日量9,600万バレルでした。中東では、前年比1.6%減の日量3,036万バレルで、世界シェア31.5%となっています。前年の中東のシェア32.8%から微減となりました。
国別では、米国が前年比8.5%増の日量1,936万バレル、世界シェア20.2%で最大となっています。サウジアラビアが同6.6%減の日量1,139万バレル、ロシアが同1.1%減の1,108万バレルと続きました。
イランやブラジルでは10%以上の増加を見せた一方、イランやブラジルを除くOPECプラス諸国では減産調整方針のため、生産が減少した結果となっております。
今後の石油動向
現在、日本では脱原発や脱化石燃料が叫ばれています。世界のエネルギー消費量は2年連続で過去最高を記録し、うち化石燃料が84%を占めました。
石油消費量が初めて日量1億バレルを超え、新型コロナウイルス流行前の2019年と同水準に戻っています。エネルギー関連の温室効果ガス(GHG)排出量は史上初の40ギガトン超えました。
また、1人当たりエネルギー消費では、カタールが世界首位、UAEが2位となっています。なお、2023年の原油価格は、北海ブレントが18%下落し、平均価格は1バレル83ドル(約12,000円)でした。
今後は環境意識の高まりや技術の進歩により、再生可能エネルギー(太陽光、風力など)の需要が増加してくるでしょう。これにより、石油の需要は減少する可能性があります。ですが、1年2年という短期スパンではなく、10年20年という長期スパンになると思われます。
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