毎日の食卓に欠かせない野菜。その中でも、国が特に重要と位置づけている「指定野菜」は、価格安定制度の対象となる重要な品目です。2026年度からは、新たに「ブロッコリー」が指定野菜に加わることが発表され、大きな話題となっています。
この記事では、指定野菜の定義から、最新の指定野菜15品目の内容、各品目の主要生産地(都道府県別上位3位)まで詳しく解説します。農業関係者はもちろん、食育や家庭菜園、スーパーの仕入れ担当者にも役立つ内容となっています。
指定野菜とは?
指定野菜とは、農林水産省が定めた「特に重要な野菜15品目(2026年度〜)」で、野菜価格安定制度の対象となる農作物です。
生産量が多く、国民の食生活に密接に関わっている野菜が対象で、供給が不安定になった際には国の支援が入ることで価格の安定が図られています。
【2026年度版】指定野菜15品目 一覧
2026年度より、以下の15品目が指定野菜となります(★は新規追加)。
- キャベツ
- はくさい
- ねぎ
- ほうれんそう
- レタス
- トマト
- きゅうり
- なす
- ピーマン
- だいこん
- にんじん
- たまねぎ
- じゃがいも
- さといも
- ブロッコリー ★
指定野菜の主要生産地(上位3都道府県)
以下は、農林水産省の統計(2022年作況調査・農業産出額など)をもとにした指定野菜ごとの主要生産地ランキングです。品目ごとの地域特性や強みも合わせて紹介します。
野菜 | 1位 | 2位 | 3位 | 特徴・備考 |
---|---|---|---|---|
キャベツ | 群馬県(12.3%) | 愛知県(10.5%) | 茨城県(9.8%) | 冷涼な高原地帯で夏秋キャベツ中心 |
はくさい | 長野県(13.7%) | 茨城県(11.2%) | 群馬県(10.1%) | 高冷地で品質良好、鍋需要で冬に需要増 |
ねぎ | 千葉県(14.5%) | 埼玉県(12.8%) | 茨城県(11.3%) | 関東の生産が中心、年中出荷体制 |
ほうれんそう | 群馬県(13.2%) | 埼玉県(11.9%) | 茨城県(10.7%) | 周年供給、ビニールハウスも活用 |
レタス | 長野県(16.8%) | 茨城県(14.3%) | 群馬県(12.5%) | 高原地帯で夏場の供給が得意 |
トマト | 熊本県(15.5%) | 愛知県(13.2%) | 茨城県(11.4%) | 施設栽培で安定出荷、冬春トマトに強み |
きゅうり | 群馬県(13.7%) | 埼玉県(12.4%) | 福島県(10.9%) | 周年栽培が進み、安定供給 |
なす | 熊本県(14.2%) | 高知県(12.6%) | 群馬県(11.8%) | 施設栽培が主体、通年生産が可能 |
ピーマン | 茨城県(13.9%) | 宮崎県(12.1%) | 高知県(11.3%) | 南北にまたがる供給体制 |
だいこん | 千葉県(16.0%) | 北海道(14.2%) | 青森県(12.5%) | 秋冬ものが主力、地域により出荷時期が異なる |
にんじん | 千葉県(15.3%) | 徳島県(13.7%) | 北海道(12.4%) | 春と夏秋で産地がリレー |
たまねぎ | 北海道(25.5%) | 佐賀県(14.3%) | 兵庫県(12.7%) | 長期貯蔵性があり、加工需要も大 |
じゃがいも | 北海道(28.6%) | 長崎県(15.2%) | 鹿児島県(13.4%) | 加工用・種いも用途も多い |
さといも | 埼玉県(14.8%) | 千葉県(13.2%) | 茨城県(11.6%) | 東日本での生産が中心 |
ブロッコリー | 愛知県(15.5%) | 埼玉県(8.9%) | 北海道(8.3%) | 2026年に指定野菜へ昇格、健康志向で需要増 |
※()はシェア率
参考資料:農林水産省「作物統計調査 作況調査(野菜)」
農畜産業振興機構「令和5年度東西別野菜の生産額、市場入荷量の番付表」
ブロッコリーが指定野菜に加わる意味とは?
これまで「特定野菜」として扱われていたブロッコリーは、2026年度から正式に指定野菜に昇格します。これは1974年のジャガイモ以来、実に約50年ぶりの追加です。
昇格の背景
- 健康志向の高まりにより、消費量が急増
- 全国的な安定供給体制の確立
- 価格変動に対応する必要性が高まったため
ブロッコリーの主な用途
- 家庭料理(サラダ、炒め物、スープ)
- 外食・中食向け加工(冷凍食品など)
- 栄養価が高く、学校給食でも活躍
まとめ
指定野菜15品目を知って、食と農をもっと身近に
指定野菜15品目は、私たちの食卓にとって欠かせない存在です。主要生産地を知ることで、地域の農業や流通の仕組みにも関心が持てるようになります。
特に、ブロッコリーの新規追加は今後の野菜政策の方向性を象徴する出来事です。食育、農業、ビジネス、家庭すべてに関わる重要なテーマとして、指定野菜の動向に注目していきましょう。
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