以前の記事でも記載しましたが、地域別にプロパンガスの料金を見比べると北海道が突出して高いように思えます。
参考:プロパンガス(LPガス)の料金の仕組み、内訳を徹底解説
ただ、これには明確な理由があるんです。その理由を見ていきましょう。
北海道のプロパンガスの相場
まずは北海道のプロパンガス料金を見てみましょう。北海道の人口は520万人を超えており、およそ60%がプロパンガスを使用していると言われています。北海道は面積が広いため、都市ガスが普及していないのです。
もちろん主要都市である札幌や函館、旭川や釧路などには都市ガスが引かれておりますが、しかしその都市の全てで都市ガスが使えるわけではありません。それでもプロパンガスが普及しているのにはマンションオーナーとプロパンガス会社の癒着など様々な理由があります。
都市ガスは公共料金なので、都市ガスが選べるのであればそれに越したことは無いのですが、もし、都市ガスが選べなかった場合、プロパンガスかオール電化のどちらかを選ぶことになります。
この記事からプロパンガスを選ぶかオール電化を選ぶかの参考にしてもらえれば幸いです。
エリア | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
北海道 | 2,152円 | 874円 |
※価格はすべて一戸建て世帯におけるプロパンガス料金を比較したものです。アパートやマンションなどの集合住宅や賃貸住宅の場合はこの範疇ではありません。
※出典:都道府県平均=エネ研・石油情報センター(2022年6月現在)
基本料金も従量単価も全国で一番高い数値になっています。どうしてこんなにも高いのでしょう。また、北海道のエリア別にプロパンガスの料金を見てみましょう。
エリア | 基本料金 | 従量単価 |
---|---|---|
石狩地方 | 2,035円 | 769円 |
後志地方 | 2,135円 | 826円 |
胆振・日高地方 | 2,107円 | 786円 |
空知地方 | 2,192円 | 824円 |
渡島・檜山地方 | 2,017円 | 812円 |
十勝地方 | 2,182円 | 786円 |
釧路・根室地方 | 2,092円 | 815円 |
網走地方 | 2,253円 | 790円 |
上川地方 | 2,160円 | 800円 |
留萌・宗谷地方 | 2,107円 | 832円 |
※出典:石油情報センター 液化石油ガス価格分布状況 2020年4月)
道庁所在地である札幌市を含む石狩地方はまだ配送効率が良いのか安くなっています。しかし、それでも基本料金は2,000円を超え、従量単価も750円を超えています。人口の少ない留萌・宗谷地方や網走地方はどうしても高くなってしまいます。
北海道のプロパンガスが高い理由
主な理由は二つ。①広大な大地と②積雪です。
面積が広いため、プロパンガスの配送コストが高くなってしまうのです。その分、ガソリン代や人員の拘束時間が長くなってしまいますよね。そのため、ボンベの交換効率が落ち、どうしてもコストが上がってしまうのです。
また、積雪時はプロパンガスが雪で埋まってしまいます。そうなるとまずは雪を掘り起こしてからプロパンガスを交換しなくてはならないんです。
除雪してプロパンガスを交換するとなると、一軒当たりにかかる時間は非積雪時と比較して十倍以上になります。それだけプロパンガスのボンベが埋まるのは大変なことなのです。
私もプロパンガスのボンベを掘り起こすだけの除雪要員として何度も現場に向かいました。ボンベ庫が開かなくて大変だった記憶があります。この二つの理由によってどうしても価格が上がらざるを得ないのです。
価格が上がる要因をまとめますと
一軒当たりの交換時間が①積雪②距離によって長くなるため、人件費や輸送費が高くなり価格が高騰する
ということになります。
どうすればプロパンガスを安くできるのか
プロパンガスの値段を下げることは簡単です。プロパンガス会社を安い会社に乗り換えれば良いのです。プロパンガスは自由料金制をとっており、また、プロパンガス会社に指定はありません。好きなガス会社を選ぶことが出来るのです。
北海道ではガス会社の切り替えがほとんど行われていないため、知らない方が多いかもしれません。北海道では他の都府県よりプロパンガスの乗り換えが浸透しておらず、お客さままで浸透していないのです。
しかし、田舎へ行けば行くほどプロパンガス会社は限られてきます。選択の余地が無いのも致し方ないのかもしれません。ですが、諦めずにまずは切り替えられるプロパンガス会社が無いか調べてみましょう。
参考:プロパンガス(LPガス)の乗り換え方法とよくあるトラブル、お得なキャンペーンをまとめました
ただ、この件は戸建て住宅に住んでいる人に限った話になります。賃貸マンションや賃貸アパートに住んでいる方はオーナーさんに掛け合ってプロパンガス会社を乗り換えてもらうか、引っ越す必要があります。
プロパンガスの乗り換えは電気やスマートフォンのように浸透していません。毎月掛かる固定費ですし、冬場はその出費がバカにならないと思います。この記事を機会にプロパンガスの乗り換えを検討してもらえると嬉しく思います。
まとめ
北海道のプロパンガスが高い理由はガスボンベの交換に掛かる費用対効果が悪いからになります。そして、それは地方に行けば地方に行くほどボンぺの交換に掛かる費用対効果が悪くなっていくため、高くなるということです。
電気代も高騰していますが、北海道でもオール電化で太陽光発電を検討する時期が来たのかもしれません。
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